
「金利が上がるってニュースを見るたび不安…変動のまま?固定に変える?」
その不安の正体が分かるまでに、私は15年かかりました。
私は住宅ローンを変動で借りて、不安で完全固定に変えて、また10年固定に変えた——金利タイプを2回変えた経験者です。この記事は、その15年目の答え合わせです。
先に結論を言うと——数字だけを見たら、変動のまま何もしないのが圧勝でした。それでも私は、固定に変えたことを後悔していません。私が本当に後悔しているのは、勉強しないまま、不安に振り回されたこと。その話をします。
変動→固定→10年固定|2回変えた理由は、ぜんぶ「不安」でした
まず前提として、住宅ローンの金利タイプは、借りた後でも変えられることが多いです。ただし無条件ではなく、銀行ごとに条件があるようです。私の場合は、「その銀行のカードを作る」ことが条件でした。
私は15年前、変動金利でスタートしました。理由はシンプルで、一番金利が安かったから。
でも借りてから気づいたんです。変動って、いつ上がるか誰にも分からないんですよね。
ニュースで「金利」の言葉を見るたびにドキッとする。周りに聞くと「固定のほうが安心だよ」と言う人もいる。数年そんな日々を過ごして、私は銀行に「固定に変えたい」と相談しました。
銀行の方は「変動のままでも大丈夫だと思いますよ」と引き止めてくれました。でも、私の不安は消えませんでした。それで完全固定(全期間固定)に変えたんです。
……ところが今度は、毎月の返済額の高さが気になってくる。固定は変動より金利が高いので、当然そうなります。
数年がまんして、また銀行に相談に行きました。正直、気まずかったです。引き止めてもらったのに変えて、また相談に来て——「私、何やってるんだろう」と。
でも銀行の方は嫌な顔ひとつせず、変動・3年固定・10年固定の3パターンで返済額の試算を作ってくれました。そして「不安が消えないなら、10年固定が安心ですよ」と。
私は、その「安心」を選びました。以来ずっと10年固定のまま。繰り上げ返済を重ねて、いまはもう完済が見えています。

ここでの学び
- 「不安だから」だけで動いてはだめ。不安のままだと、変えても変えても次の不安が来る(私は2回変えました)
- 金利タイプの変更自体は、意外と簡単。銀行ごとに条件はあるものの、一般的には手数料も数千円〜1万円ほどで、無料の銀行もあるそうです。「もう変えられない」と思い込んで悩み続けるのが一番もったいない
- 迷ったら、銀行に試算を頼んでいい。数字を並べてもらうだけで、不安はかなり小さくなる
15年目の答え合わせ|数字だけなら、変動の圧勝でした
さて、答え合わせです。
この15年、日本の変動金利は、結果としてほとんど動きませんでした(上がり始めたのは2024年ごろからでした)。
つまり——変動のまま何もしなかった人が、一番安く済んだ。これが数字の答えです。
どのくらい違うのか。例えば2,000万円を35年・元利均等で借りて、変動(仮に年0.8%のまま)と固定(仮に年1.5%)を比べると:

| 金利(仮定) | 月々の返済 | 35年の総返済額 |
|---|---|---|
| 変動 年0.8%のまま | 54,612円 | 約2,294万円 |
| 固定 年1.5% | 61,237円 | 約2,572万円 |
その差、約278万円(※あくまで仮定の試算です。実際の金利や条件で変わります。それに、変動が「ずっと低いまま」だったのは結果論です)。
「じゃあ変動にしておけばよかったのに」と思いますよね。
でも、当時の私に15年後の金利が分かったはずがありません。プロでも当てられないと言われる世界だそうです。だから私は「変動にしておけば」とは言いません。
ここでの学び
- 「どっちが得か」の正解は、終わってみないと誰にも分からない。当てようとしてはだめ
- 比べるべきは損得の予想ではなく、「もし上がっても、うちは払えるのか」という自分の家計。ここが数字で分かっていれば、『いつ上がるか分からない』も怖くなくなる。
それでも後悔していない理由|安心はお金で買える。ただし、いくらかは知ってから
278万円(仮定)も違うかもしれないのに、なぜ後悔していないのか。
私は、安心をお金で買ったんです。
10年固定にしてから、金利のニュースでドキッとすることがなくなりました。毎晩、枕を高くして眠れる。固定の金利が高い分は、私にとって「安心の保険料」でした。保険と同じで、何も起きなかったから損、ではないんです。
ただ——ひとつだけ、本当の後悔があります。
私はその保険料を、いくらなのか知らないまま払っていたということです。
もう少しお金の勉強をしていれば、不安の正体(金利の仕組み、上がったらうちの返済はいくら増えるのか)が数字で分かったはずです。そうしたら、超低金利の恩恵を受けながら「上がったらこうする」と備える道も、怖がらずに選べたかもしれません。
知らないままだと、不安に言い値で払うことになる。
実はこの経験が、私が50代でお金の学び直し(FP3級)を始めたきっかけの1つです。その話は、また別の記事で。
ここでの学び
- 安心はお金で買っていい。固定の高い分は「安心の保険料」。保険と同じで、何も起きなかったから損、ではないんです
- ただし、いくらかかるかは知ってから。「上がったら、うちはいくら増えるのか」を数字にしてから選ぶと、同じ選択でも納得して払える
番外編|金利が上がると、世の中のお金はこう動く
FPの勉強を始めてから、住宅ローン以外のお金のニュースも「つながって」見えるようになりました。せっかくなので、1つだけおすそ分けです。
金利が上がると、すでに発行されている(古い)債券の価格は下がります。新しい債券のほうが利息が良くなるので、低い利息のままの古い債券は人気が落ちるからです。シーソーの関係です。
株式は、下がりやすいと言われますが、絶対ではありません。景気が強い時は、株も一緒に上がることがあるそうです。

こういうつながりが見えてくると、金利のニュースが「怖いもの」から「面白いもの」に変わってきます。
それが、学び直して一番よかったことかもしれません
(※一般的な仕組みの話で、特定の投資をすすめるものではありません)
よくある質問
Q. 変動から固定への変更に手数料はかかりますか?
A. 同じ銀行の中での変更なら、一般的には数千円〜1万円ほどで、無料の銀行もあるそうです(別の銀行への借り換えだと、もっと大きな費用がかかります)。私の場合は手数料込みで試算してもらいました。今なら、変更の前に「手数料込みの総額でどう変わるか」を必ず聞きます。
Q. 変動から固定に変えるタイミングは、いつがいいですか?
A. 「上がってから変えよう」だと遅いことが多いそうです。固定金利のほうが先に上がる傾向があるからです。当時の私はタイミングなんて考えず、「不安が限界になった時」に変えました。今なら、金利のニュースが気になって眠れなくなったら、まず家計の数字を見直すタイミングだと考えます。
Q. 10年固定が終わったら、どうなるんですか?
A. その時点の金利で、変動か固定かをまた選び直すのが一般的だそうです。私はいままさにその終盤ですが、繰り上げ返済で残りを減らしてきたので、怖さはだいぶ小さくなりました。この話は別の記事で詳しく書く予定です。
まとめ|安心は買っていい。ただし、いくらかは知ってから
- 変動で借りて、不安で完全固定へ。高くて、また10年固定へ——2回変えた動機は、ぜんぶ「不安」だった
- 数字だけなら、変動のまま何もしないのが圧勝だった(ただし結果論)
- それでも固定の高い分は「安心の保険料」。私は買ってよかったと思っている
- 本当の後悔は、その安心がいくらなのか、知らないまま払っていたこと
これから選ぶ方、いま変動で不安な方へ。どうか「不安だから」だけで決める前に、「もし金利が上がったら、うちの返済はいくら増えるのか」を数字にしてみてください。銀行の窓口でも、ネットの比較サービスでも、試算は無料でできます。
不安は、数字にすると小さくなります。安心は、お金で買っていい。ただし、いくらかかるかは知ってから——それが、2回の変更と15年をかけて私がたどり着いた答えです。
※関連記事:銀行を「比べなかった」私の失敗談です↓

最後にひとつ、希望の話を。この記事に出てきた278万円の差——実は、繰り上げ返済を頑張るとほぼ帳消しにできます(試算では、月4万円台の繰り上げで利息が変動並みに)。次回は、私が完済目前までこぎつけた繰り上げ返済の話です。NISAで増えた分を返済に回した話も、そこで。


