外壁塗装の見積もり|面積の計算ツールで目安と比べる

外壁塗装の見積もりは高いのか安いのか、面積で比べる。30坪で80万〜120万?。電卓と2枚の見積書を見比べる女性のイラスト お金の学び直し

※数字や制度は2026年8月時点のものです。悪質な勧誘の手口は国民生活センターでご確認ください。

外壁塗装の見積もり、これって高いの?安いの?

高いのか、安いのか。それが分からないのが一番こわいですよね。

分からなくて当たり前です。比べるものが、どこにもないんですから。

私は築15年の一戸建てに住んでいます。うちはまだ、外壁を塗っていません。

最近、家全体の塗装と補修に600万円払った方の話を聞きました。それで気になって、調べたんです。

先に、正直な結論を書きます。適正価格は、調べても分かりませんでした。

その代わり、自分でできることが3つありました。

同じ条件で、2〜3社に見積もりを出してもらうこと。自分の家の面積を確かめること。そして、契約する前に、無料の公的な窓口で見積書を見てもらうこと。

この3つと、坪数と総額を入れるだけで比べられる計算ツールを用意しました(今すぐ使う)。

人づてに聞いた「塗装と補修で600万円」

ある方が、家全体の塗装と補修に600万円を払ったそうです。外壁だけでなく、屋根や下地の補修まで含めた金額だそうで、内訳までは聞けていません。

その方は満足していました。丁寧にやってもらった、と。

満足しているなら、それはその方の正解です。

ただ、ひとつだけ引っかかったんです。金額ではなくて。

決めた早さでした。

「塗料が値上がりする。今月の発注分に入れないと高くなる」と言われて、期限までに決めた——そういう流れだったそうです。

満足と、適正は別の話。

そう思って、調べはじめました。

この記事のスタンス

  • 高いか安いかを判定する記事ではありません
  • 業者さんを悪く言うつもりもありません
  • 書きたいのは、契約する前にできることだけです

相場が分からないのは、なぜ?

調べていて、「あれ?」と思ったのがここでした。

国も業界団体も、坪数ごとの標準価格を出していません。検索すると相場表がいくつも出てきますが、あれは全部、塗装業者や見積もりサイトが自社のデータで作ったものです。

会社によって数字がちがうのは、当たり前だったんですね。元が別なんですから。

それなら国の統計はどうだろう、と探しました。

でも、ありませんでした。

国土交通省の調査には、住宅のリフォームで主に外壁をやった工事が何件、屋根をやった工事が何件、というところまで載っています(出典:建築物リフォーム・リニューアル調査)。

それなのに、その工事がいくらだったかは、どこにも載っていないんです。

件数は分かる。金額は分からない。

もうひとつ、同じ国土交通省の別の調査で見つけた数字があります。リフォームをした人が困ったことの1位が、「見積もりが適切かどうかわからなかった」でした(出典:住宅市場動向調査)。

分からないのは、知識がないからではありませんでした。みんな、同じところでつまずいている。

坪数別の外壁と屋根の塗装の目安の図解:20坪80万〜120万円、30坪100万〜180万円、40坪130万〜200万円、50坪160万〜240万円、60坪190万〜280万円。聞いた話の600万円は、どの帯からも大きく離れている

ここでの学び

  • 相場表は業者さんが作ったもの。国が決めた標準価格はない
  • 相場は、もともとおもてに出てこない

ざっくりでいい。1㎡あたりに直せば、比べられる

ほかに調べる方法はないかな、と思いました。

比べるものがないなら、自分で作ればいいんです。

それが、相見積もりです。同じ家の、同じ工事で、何社かに見積もりを出してもらう。

値切るためではなく、自分の家の工事の相場を作るためのものなんです。

ただ、もらった紙を並べるだけでは足りません。

同じ工事なのに高いのか、やることが多いから高いのか。総額だけでは、その区別がつかないんです。

そこで、ざっくりでいいので「1㎡あたりいくらか」に直します。電卓ひとつあれば足ります。

  1. 延べ床の坪数 × 3.3 = ㎡(家の広さ)
  2. × 1.2 = だいたいの「塗る面積」
  3. 見積もりの総額 ÷ その面積 = 1㎡あたりいくら払うか
見積もりを「1㎡あたり」に直す計算
塗り替え(塗装)の見積もり専用
下地の補修・シーリング・雨どいなどの補修は、塗り替えの金額にもともと含まれますので、そのまま入れて大丈夫です。
壁を張り替える・屋根を葺き替える(ふきかえる)ような、作り直しの工事が入っている場合だけ、使えません。
数字を入れると、その場で計算します。入力した数字はどこにも送られません。
※ざっくりの目安です。塗る面積は「延べ床の1.2倍」で計算しています(家の形で変わります)。
※目安の幅は、塗装業者や見積もりサイトが公開している相場から計算したものです。国が決めた相場ではありません。
※下地補修・シーリング・付帯部は塗り替えの相場に含まれています(別に足さないでください)。
※壁の張り替え・屋根の葺き替え(作り直し)や、雨漏り修理などの別工事が入っている場合は、その分を引いてから入れてください。
※判断に迷ったら、契約する前に住まいるダイヤルの無料見積チェック(0570-016-100/PHS・IP電話は03-3556-5147)へ。

ぴったり合っている必要はありません。ざっくりで十分です。正解を当てるためではなく、3枚の紙を同じ土俵に乗せるための計算なので。

補修が入っていても、この計算は使えます。下地のひび割れやシーリングの打ち替えは、もともと塗り替えの金額に含まれているものだからです。

ここでの学び

  • 総額のままでは比べられない。1㎡あたりに直す
  • 補修は塗り替えの金額に含まれる。引くのは別の工事だけ

見積書のどこを見るか

見積もりがそろったら、次は中身です。

国の相談窓口が、見るところを8つ公開していました。リフォーム全般の手引きですが、外壁塗装にもそのまま使えます。

見るところ何を確かめるか
工事期間書いていなければ、事前に確認
支払条件着工前に全額などになっていないか
一式工事極端に高い「一式」は中身を確認
数量・単価現場を見たか/数量と単価が書いてあるか
二重計上運搬費や諸経費が、工事ごとに重ねて載っていないか
保証期間長い保証ほど、途中で会社がなくなったときのことも確認
割引き「キャンペーン特価」「決算値引」は根拠を確認
承諾欄署名を求めることは、ふつうありません

(出典:住まいるダイヤル「リフォーム見積書セルフチェックのポイント」

まず「支払条件」。着工前に全額を払う形になっていると、工事が途中で止まったときに戻ってこないことがあります。

そしてもうひとつ、表の最後にある「承諾欄」は、知らないと危ないところでした。

一般的には、見積書で署名を求めることはありません。署名をすると契約したものと判断されることがあります。

その場で書いた紙が、契約書だったということが起こります。

外壁塗装ならではの注意点:シーリングと塗料

ここまでは、リフォーム全般に使える「書類の読み方」の話でした。ここからは、外壁塗装ならではの注意点を2つ、掘り下げます。どちらも「一式」とだけ書かれがちな項目です。シーリングと塗料です。

シーリングは「打ち替え」か「増し打ち」か

シーリングは、外壁の板と板のつなぎ目や、窓のまわりに詰めてあるゴムのようなものです。

家の防水の、一番の弱点。外壁より先に傷みます。

やり方が2つあります。

  • 打ち替え=古いのを全部切り取ってから、新しく詰め直す
  • 増し打ち=古いのを残したまま、上から重ねる
シーリングの打ち替えと増し打ちの断面の図解:打ち替えは新しいものが深く入る。増し打ちは古いものが残ったまま、新しい層は上に浅く乗るだけ

どちらが正しいかは、場所と家の状態で変わります。 これから書くのは「一般にこう言われている」という話で、どのお宅にも当てはまるものではありません。

そのうえで——増し打ちは厚みが取れないので、早く切れることがあるそうです。古い層の傷みも、見えないままふさいでしまう。

ただ、窓まわりだけは、増し打ちが正しい場合があります。古いのを切り取るときに、壁の中の防水シートを傷つけてしまうことがあるからです。

よく言われる組み合わせは、つなぎ目は打ち替え、窓まわりは増し打ち。

ただし窓まわりでも、割れていたり剥がれていたりすれば打ち替えになります。

大事なのは、どちらが正しいかを見分けることではありません。見積書にどちらか書いてあるか。そして、なぜそちらなのかを説明してもらえるか。

「シーリング工事 一式」としか書いていなかったら、どちらなのか聞いてみてください。

シーリングが「1mあたり」いくらか
見積書の「シーリング」「コーキング」の行を見て、金額と長さを入れてください。入力した数字はどこにも送られません。
※目安は、打ち替えが1mあたり900〜1,500円、増し打ちが500〜900円ほどと言われています(国が決めた相場ではありません)。
長さ(m)が書かれていない見積書なら、それ自体が聞くべきポイントです。「何mありますか」と聞いてみてください。
※窓まわりだけは増し打ちが正しい場合があります。安いから手抜き、とは限りません。

「シリコン塗料」には、中身の決まりがない

これは、私も知りませんでした。

シリコン樹脂が少しでも入っていれば「シリコン塗料」と名乗れるそうです。どれくらい入っていればいいか、という決まりがないんです。

実際、少ないものと多いもので3倍ちかい開きがありました。同じ名前でも、別の材料ということです。

だから「シリコン塗料」としか書いていない見積書は、材料を決めていないのと同じ。メーカー名と商品名まで書いてもらえば、その場で調べられます。

シーリングと塗料をそろえて、1㎡あたりで並べる。そこで1社だけ極端に外れていたら、それが分かるだけでも収穫です。

そこから先、どう聞くか・どう決めるかは、一言で言うのが難しいので、相見積もりだけの記事にまとめて書きます。

ここでの学び

  • シーリングは「打ち替え」か「増し打ち」かを確かめる(つなぎ目は打ち替えが基本)
  • 塗料はメーカー名と商品名まで書いてもらう
  • 1㎡あたりの数字を並べれば、外れている1社が見えてくる

「今決めれば安く」は本当なのか

最初に引っかかったところに戻ります。

塗料が値上がりしているのは、本当でした。

2026年は原料の高騰で大手メーカーがそろって値上げをしていて、新しい注文を止めている塗装会社もあるそうです。

ただ、工事全体で見るとそこまで大きく変わる幅ではない、という見方でした。急ぐ理由にはなっても、金額の桁を説明するものではありません。

そして国民生活センターが、こういう言葉を「よくある手口」としてまとめていました。

「この場で契約するなら特別に安くしますよ」
「通常より大幅に割り引いた価格です」

そのうえで、「実際には相場よりも高額である場合もあります」と書いてあります(出典:国民生活センター)。

おどろいたのは、写真の話でした。

業者が見せる写真や動画はあらかじめ業者が用意しておいたものである場合もあります

(出典:国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」

屋根裏も屋根の上も、住んでいる人には見えません。見えない場所の写真だけで、契約が決まってしまう。

相談は年々増えていて、契約した人の8割超が60歳以上だそうです。6月と、9月〜11月に増える、ということでした(出典:国民生活センター)。

注意

  • 「今なら安く」は、急がせるためのよくある手口。国も注意を呼びかけています
  • 見せられた写真が自分の家のものか、その場では確かめようがない
  • 屋根や屋根裏の点検は、知らない人をいきなり上げない

契約する前にやること、3つ

まだ塗っていない私が、うちの番が来たらやると決めていることを3つ書きます。

1. 同じ条件で、2〜3社に出してもらう

2〜3社に相見積もりを、とよく言われます。でもただ3社に頼んでも、比べられません。

塗料も工程もバラバラの見積もりを並べたら、分かるのは安いか高いかだけ。中身がちがうのだから、当たり前です。

だから、条件を先に決めて、それを伝えて出してもらいます。

  • 屋根もやるか、外壁だけか
  • 塗り替えか、作り直し(壁の張り替え・屋根の葺き替え)か。※1㎡あたりの目安が別ものになります
  • 塗料のメーカー名と商品名を書いてもらう
  • シーリングは打ち替えか、増し打ちか
  • 足場は1回で済ませる前提か

この5つを揃えるだけで、3枚の紙が初めて比べられるものになります。

ちなみに、相見積もりを取っていること自体は、伝えて大丈夫です。むしろ言ったほうがよくて、ふつうに行われていることです。

見せないのは、ほかの会社の見積書そのもの。それだけです。

相見積もりは、業者さんに無料で時間を使ってもらうことでもあります。そのマナーや、誠意にどう応えるかは、さきほど触れた相見積もりの記事で一緒に書きます。

2. 自分の家の面積を確かめる

国民生活センターは、最初の一手に「まず家を建てた工務店等に相談」を挙げていました。建てた会社は図面を持っているので、自分の家の面積を知っている相手が、最初からいるわけです。そこに頼まなくてもいい。まず聞くだけでいいんです。

ただ、建てた会社が遠かったり、もうなかったりすることもあります。うちもそうです。

その場合は、毎年4月ごろに届く固定資産税の紙を見てください。 納税通知書に入っている「課税明細書」に、家の床面積が書いてあります(例:横浜市の説明。書式は自治体で少しちがいます)。

面積さえ分かれば、あとは自分で計算できます。

3. 契約する前に、公的な窓口で見てもらう

これを一番知ってほしくて、この記事を書きました。

国土交通大臣が指定した相談窓口「住まいるダイヤル」に、見積書を無料で見てもらえるサービスがあります(リフォームの見積に関する相談)。

  • 料金は無料
  • 見積書1〜2通と、あれば図面。回答は電話でもらう形
  • 0570-016-100(平日10時〜17時)
  • PHSや一部のIP電話からはつながりません。携帯のかけ放題も0570は対象外のことが多いので、その場合は 03-3556-5147

さきほどの8項目の表も、この窓口が公開しているものです(見積書セルフチェックのポイント)。

そして、ここが大事なところです。

契約する前でないと使えません。もめてからでは対象外になります。

急かされているときこそ、電話する時間はあります。「見てもらってから決めます」と言えば、それで済む話なんです。

契約する前にやる3つのことの図解:1同じ条件で2〜3社に頼む、2自分の家の面積を確かめる、3契約前に住まいるダイヤルで無料で見てもらう。もめてからでは使えません

最後に、国民生活センターの言葉を。

質問に答えず、あいまいな返答のみの業者とは契約しないことが大切です

思えば、冒頭の「今月中に決めないと」も同じでした。質問する時間を、くれない。

質問を嫌がる相手は、この先も説明してくれない。

ここでの学び

  • 相見積もりは社数より、同じ条件で出してもらうこと
  • 契約前なら、無料で見積書を見てもらえる(もめてからでは遅い)

よくある質問

Q. 外壁塗装は何年ごとにやるものですか?
A. 一般的には10〜15年が目安と言われています。ただ、うちはまだ塗っていません。「年数が来たから塗る」ではなく、つなぎ目のシーリングが切れていないかで考えるようにしています。

Q. 見積もりは何社取ればいいですか?
A. 2〜3社と言われることが多いようです。でも社数より、同じ条件で出してもらうことのほうが効くと思います。条件がバラバラだと、安い高いしか分かりません。

Q. 契約してしまいました。8日を過ぎたらもう無理ですか?
A. 訪問販売にあたる契約なら、書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。それを過ぎても、大事なところで事実とちがうことを言われて誤解していた場合は、気づいてから1年間・契約から5年間は取り消せるとされています(消費者庁)。まずは消費者ホットライン188へ。

Q. 一括見積もりサイトは使っていいですか?
A. 分かりません。私が使ったことがないからです。使っていないものを「良いですよ」とは書けないので、ここは正直に。いまの私は、まず自分の家の面積を調べるところから始めるつもりです。

まとめ:面積で割れば、比べられる

  • 2〜3社に、同じ条件で出してもらう(屋根の有無・塗り替えか作り直しか・塗料の商品名・シーリングの打ち替えか増し打ちか・足場)
  • 面積を出して、1㎡あたりに直して比べる(記事の中の計算ツールですぐ出ます)
  • 契約する前なら、無料で見積書を見てもらえる住まいるダイヤル/0570-016-100)

うちは屋根に瓦を選んだので、15年で屋根にかけたお金はゼロでした。でも、無事なわけではありません。「コーキングはそろそろだね」と、夫と話しているところです。次は、たぶん家じゅうのつなぎ目です。

だからこの記事は、人ごとではなくて。私も同じ場所に立っています。

適正価格がいくらなのか、私には分かりませんでした。

でも、分からないまま契約しなくていい方法は、ちゃんとありました。無料で、電話一本で。

※関連記事:築15年一戸建ての修繕費、実際は?相場150万円と違った答え

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