住宅ローン10年固定の終了後どうなる?体験談|出口は?

住宅ローン10年固定、終わったら?+1%で20万と3万、と考える女性のイラスト お金の学び直し

※金利の数字は2026年8月時点のものです。金利は毎月変わるので、最新は日本銀行や各銀行の公式サイトでご確認ください。

10年固定がもうすぐ終わる…金利も上がってるし、この先どうなるの?

10年固定が終わる。そう思うと、落ち着かないですよね。金利のニュースを見るたび、うちはどうなるんだろう、と。

その気持ち、すごく分かります。

わが家の答えは——「決めなくてよくなった」でした。

これを聞くと「なんだー」って思うかもしれませんが、ここに辿り着くまで、たくさんの失敗をしてきました。

15年前に変動で借りて、固定へ、そして10年固定へ。いま、その10年固定の途中です。そして繰り上げ返済を続けた結果完済まであと1年のところまで来ました。

10年固定の「終了後」をどうするかは、何も考えていませんでした。と言うのが本当です。

変動に戻すのか、また固定にするのか——とりあえず10年後に決めたらいいかな。って思っていました。

立派な出口戦略があったわけではなく、金利タイプを2回も変えて、遠回りしながら残高を減らして——その先に、いまの答えがありました。

「終了後どうなる?」と検索すると、金利上昇の怖い話ばかり出てきます。この記事は、その反対側——出口に悩まずに済んだ家の話です。その経緯を、順番にお話しします。

「もう変えられない」と言われていた。でも、一応聞いてみた

10年固定にしたのは、完全な固定金利で返していたころです。

固定に変えたとき、銀行からは「もう変えることはできません」と言われていました。でも固定の金利は高くて、正直、重かった。

でも、一応聞いてみました。変えられないのは知っています。でも、聞くだけなら。

返ってきた答えは——「銀行のカードを作ってもらえれば」

そうなの?それでいいんならカード作ります、って。言ってみないと分からないものだなあと思いました。

あとから知ったのですが、銀行によっては、カードを作る・給与振込を移すといった取引を増やすことで、金利を優遇する仕組みがあるそうです。うちの場合は、それがカード1枚でした。

このとき銀行が3パターンのシミュレーションを出してくれて、その中から10年固定を選びました(このあたりの経緯は変動から固定に切り替えた話に書いています)。

ここでの学び

  • 「もう変えられない」は、聞いてみるまで分からない。質問はタダです
  • 取引を増やすと金利を優遇する仕組みがある銀行も。うちはカード1枚でした

出口は決めていなかった。決める前に、返せるところまで来た

10年固定を選んだとき、終了後のことは決めていませんでした。10年経ったら、そのとき考えればいい、と。

支えになったのは、銀行の人のこの言葉です。

「先のことは読めないけれど、終わるころには残高が減っているから、変動でも対応できますよ」

怖くないと言えば、嘘になります。でも、残高が減った状態での変動には、安心感がある。そう思えました。

10年固定にして5年ほど経ったころ、違う銀行で借り換えの試算をしてもらったことがあります。

結果は——そんなに変わらないな、でした。手数料が結構高くて、金利が少し下がっても、その分がまるごと得になるわけじゃない。だから借り換えはせず、そのまま継続することにしました。

動かなかったのも、ひとつの答えでした。

ローンが始まってからの道のりは、まっすぐではありませんでした。貯めては返し、ときにNISAへ回し、また返して。その紆余曲折は繰り上げ返済の記事に書いています。

最近は、NISAで増えた分も返済に回しています。そうして——金利タイプを変えなくても払いきれるところまで、残高が減っていました。

10年固定の出口をどうするか。わが家はその問いに、自分では答えを出していません。先に、終わりのほうが来てしまうからです。

なぜ残高が減ると怖くなくなるのか。理屈は単純で、金利上昇の痛みは「残高×上がり幅」で決まるからです。

たとえば金利が1%上がったとき、利息の増え方はざっくり年で「残高の1%」。残高2,000万円なら年20万円の痛みですが、残高300万円なら年3万円。同じ1%でも、残高が7分の1なら痛みも7分の1です。

残高による金利上昇の痛みの違いの図解:金利が1%上がると、残高2,000万円なら年20万円、残高300万円なら年3万円。痛みは残高×上がり幅

正直に書くと、10年固定の金利は変動より高いのは確かです。数字だけなら、変動のまま早く返すほうが良かった。でも当時の私にはできなかった——その話は変動から固定の記事に書いたとおりです。

ここでの学び

  • 出口を選ぶ時間ではなく、出口を要らなくする時間にもできる。10年は長い
  • 金利上昇の痛みは「残高×上がり幅」。迷う前に、残高を減らすのが一番の備えでした

金利はどう決まる?変動と固定では、決まり方が違います

ここで、FP3級の学び直しで腹落ちした話をひとつ。変動と固定では、金利の「決まり方」がそもそも違います。

変動金利は、日銀が決めてから動きます。元になるのは「短期プライムレート」という銀行の基準金利で、これは日銀の政策金利に連動します。日銀が会合で決める→基準が動く→変動金利が動く。「決まってから」動くんです。

固定金利は、市場の予想で決まります。元になるのは10年国債の利回りで、これは市場で毎日、投資家の売り買いで動きます。投資家は「将来どうなりそうか」で動くので、日銀がまだ何も決めていなくても、「上がりそう」というだけで利回りが動きます。

なぜ「上がりそう」というだけで動くのか。ここが、私にはずっと不思議でした。

仕組みはこうです。「これから金利が上がりそう」と思われると、投資家はこう考えます。もうすぐ利息の高い新しい国債が出るなら、いま持っている利息の低い国債は魅力がない、と。売る人が増えると国債の値段は下がり、値段が下がると利回りは上がります。同じ利息でも、安く買えたほうが割がいいからです。

※ここで値段が動くのは、銀行や投資家が売り買いする国債の話です。私たちが買う「個人向け国債」は、国が額面で買い取ってくれるので値段は動きません。この仕組みは、また別の記事でくわしく書きます。

その市場の動きをもとに、固定金利は月ごとに決められます。フラット35なら「◯月に資金を受け取る人はこの金利」という形で、毎月の金利が公表されています。しかも適用されるのは申し込んだときの金利ではなく、実際にローンが始まるときの金利です(出典:住宅金融支援機構)。銀行の固定金利も、月末に翌月分を決めるところが多いそうです。

変動と固定の金利の決まり方の図解:変動は日銀から短期プライムレートを経て変動金利へ、固定は市場の予想から10年国債利回りを経て固定金利へ。決まり方が違う

実際、ついこの前の日本でそうなりました。

変動金利の元になる短期プライムレートは、2009年1月から2024年8月まで、15年半ずっと1.475%のままでした(出典:日本銀行)。私が借りてからの年月は、ほとんどが「変動は動かないもの」だった時代です。

その間に、固定は先に動き始めていました。フラット35は2016年8月に0.900%まで下がったあと、2022年から上昇に転じます。日銀がマイナス金利をやめたのは2024年3月。短プラが動いたのは2024年9月(1.475%→1.625%)。

固定が2年ほど、先を歩いていたことになります。

そこからは駆け足でした。短プラは1.475%→1.625%→1.875%→2.125%と1年半で3回上がり(2026年2月時点)、フラット35は2026年8月に3.290%と、現行制度で過去最高になっています。

金利の推移の図解:変動のもとになる短期プライムレートは2024年までずっと横ばいで、その後3段階で上昇。固定のフラット35は2016年8月0.900%から2022年に先に上昇し2026年8月に3.290%。固定が先、変動があと

残高がまだ大きい人へ

わが家は残高が小さかったから、悩まずに済みました。でも、残高がまだ大きい人は話が別です。——15年前のわが家も、完済のときは70代。その数字を見て、これはやばい、と思ったところから始まりました。

2026年8月時点、政策金利は約31年ぶりの水準まで上がっていて、変動金利もじわじわ上がっています。10年前に低い金利で10年固定を組んだ人ほど、終了後の金利との差は大きくなります。

選択肢は大きく3つです。

  • そのまま続ける
  • 金利を交渉する
  • 借り換える

どれが得かは残高と残り年数で全然違うので、数字で比べてから決めてください。

ひとつ知っておいてほしいのは、10年経つのを待たなくてもいいということです。

同じ銀行の中で変動に変えるのは、固定期間が終わるまでできないのが一般的だそうです。でもよその銀行への借り換えは、途中でもできます。わが家が5年目に試算をもらえたのも、そういうことでした。

もちろん手数料はかかるので、比べたうえで「動かない」を選ぶのもありです。私がそうでした。

そのとき、手数料も一緒に見てください。私も試算をもらって、手数料の高さに驚きました。金利差だけ見ると得に見えても、手数料を引くと逆転することがあります。

一般的には、借り換えでメリットが出るのは「残高1,000万円以上・残り期間10年以上・金利差1%以上」が目安と言われています(参照:三井住友銀行のコラム)。

わが家が「変わらないな」だったのは、残高も期間も、この目安から外れていたからだと思います。逆に言えば、残高が大きくて期間が長い人ほど、比べる価値があるということです。

ひとつ注意も。変動金利には返済額の急な上昇を抑える仕組み(5年ルール・125%ルール)がある銀行が多いのですが、固定期間選択型にはこの仕組みがないことが多いそうです。終了後は返済額が一気に変わる場合があるので、ご自身の契約を確認してみてください。

よくある質問

Q. 終了が近づくと、銀行から連絡は来る?
A. 一般的には、満期の少し前に案内が届きます。何も手続きしないと、自動的にその銀行の標準的なプランに移行することが多いそうです。一番損をしやすいのは「放置」——案内が来たら、面倒でも中を見てください。

Q. 金利の交渉なんてできるの?
A. 私の場合、「もう変えられない」がカード1枚で通りました。銀行や状況によると思いますが、言ってみないと分からない、が私の答えです。

Q. 結局、10年固定は損だった?
A. 数字だけなら、変動に負けました。でも私は安心を買ったと思っています。このあたりの答え合わせは変動から固定の記事でどうぞ。

まとめ:出口は、決めなくてよくなった

  • 「もう変えられない」は聞いてみるまで分からない。うちはカード1枚で通りました
  • 出口は決めていなかった。迷う前に残高を減らしたら、決める必要がなくなった
  • 金利上昇の痛みは「残高×上がり幅」。残高が小さければ、変動も怖くない
  • 固定金利は市場の予想で動く。日銀が動くのを待たずに、上がりそうと思われた時点で上がる
  • 残高が大きい人は、続ける・交渉する・借り換えるを数字で比べてから

10年は、出口を選ぶための時間ではなく、出口を要らなくする時間にもできます。

とにかく、比べてみること。いま自分がどのあたりにいるのかは、比べないと分かりません。

※関連記事:住宅ローン変動から固定に切り替えた体験談繰り上げ返済の体験談NISAをこわごわ始めた話

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