
ネット銀行の住宅ローン、金利は魅力だけど…お店がないのはなんだか不安
15年前の私が、まさにそれでした。
そして私は「不安だから」という理由で、ネット銀行を選びませんでした。この記事は、その選択の15年目の答え合わせです。
先に結論を言うと——15年たった今、私は「ネット銀行にすればよかった」と思っています。でもこの記事で一番伝えたいのは「ネット銀行がいいよ」ではありません。
私が銀行を「比べなかった」こと、それが本当の失敗でした。
何も分からないまま銀行の窓口を回った私の実体験と、FP(ファイナンシャル・プランニング技能士3級)の勉強をして分かった「比べ方のものさし」をお話しします。
15年前の銀行めぐり|最後は「いつもの銀行だから」で決めた
建てる家が決まって、次は住宅ローン。当時の私は、何をどう比べればいいのか、まったく分かっていませんでした。
とりあえず、銀行の窓口に話を聞きに行きました。メインで回ったのは、地元の銀行2つ。
そして当時はまだ使う人が少なかったネット銀行にも、1度だけ話を聞きに行きました。
これが——すごく魅力的だったんです。金利は一番低い。実店舗がなくても、聞けばちゃんと答えてくれる。対応も悪くない。
でも、選びませんでした。理由は「知名度が低かったから」。聞いたことのない銀行に、家という人生最大の買い物を預けるのが、なんだか不安だったんです。
最終的に選んだのは、いつも使っている銀行でした。金利がネット銀行より高いことは、分かっていました。それでも「今までの信用があるから」と借りました。今思えば銀行側にとっても、「今までの取引」は大きな安心材料だったのでしょう。
つまり私は、金利でも、手数料でも、サービスでもなく——
「いつもの」で、何千万円を借りる相手を決めたんです。
ここでの学び
- 「いつもの銀行だから」は、安心ではあっても比較ではない
- 「聞いたことがないから不安」で選択肢を消してはだめ。不安の正体は、たいてい「知らないだけ」
- 金利が一番低いのはネット銀行だと分かっていたのに、「知名度」で目をつぶった。数字より気持ちで決めてしまった
15年目の答え合わせ|金利0.5%の差は、211万円の差
15年住宅ローンを払い続けて、そしてFPの勉強をして、ようやく分かったことがあります。
住宅ローンは「どこで借りるか」で、支払う総額が全然違うんです。
例えば、2,000万円を35年・元利均等で借りたとして、金利が0.5%違うとどうなるか。試算してみました。

| 金利(仮定) | 月々の返済 | 35年の総返済額 |
|---|---|---|
| 年1.5% | 61,237円 | 約2,572万円 |
| 年2.0% | 66,253円 | 約2,783万円 |
その差、約211万円。私が「なんだか不安だから」で見送ったものの正体は、これくらいの大きさのお金だったかもしれないのです(※これはあくまで仮定の試算です。実際の金利や条件によって変わります)。
一般的に、ネット銀行の住宅ローンの金利は店舗のある銀行より低い傾向があると言われています。店舗や人にかかる費用が少ないぶん、金利を下げられる仕組みだそうです。
ただし、意外な落とし穴もあります。手数料の仕組みが違うんです。
- ネット銀行に多い型:保証料は0円。そのかわり事務手数料が「借入額×2.2%」(2,000万円なら44万円)
- 地方銀行に多い型:事務手数料は数万円〜。そのかわり保証料が数十万円(または金利に上乗せ)
つまり「ネット銀行は安い」「保証料無料はお得」と入口の言葉だけで判断すると、思わぬ形で損をするかもしれません。

ここでの学び
- 金利だけ、手数料だけ、とバラバラに見てはだめ。比べるものさしは「金利+手数料ぜんぶ込みの総支払額」ひとつ
- 「保証料無料」「手数料定額」という言葉のお得感で決めてはだめ。名前が違うだけで、どこかで払っている
「ネット銀行は不安」の正体|15年前の私に言いたいこと
それでも「ネット銀行は不安」という気持ち、私は誰よりも分かります。実店舗がない。聞いたことがない名前。何かあったとき、どこに行けばいいの?——15年前の私が、全部思ったことです。
でも実際に話を聞きに行ったネット銀行は、実店舗がなくても、聞けばきちんと答えてくれました。私の不安は、銀行の中身ではなく「私が知らないこと」から来ていたんです。
今の私が15年前の私に言えるなら、こう言います。
「不安なら、消すために質問しなさい。それでも嫌がられたら、その時にやめればいい」
——そう、以前の記事で書いた「質問を嫌がる相手は、この先も説明してくれない」は、銀行選びでもそのまま使えるものさしです。

よくある質問
Q. ネット銀行の住宅ローンのデメリットは何ですか?
A. 一般的には、対面で相談しにくいこと、事務手数料が定率型(借入額×2.2%など)で意外と大きいこと、審査がやや厳しめと言われることなどが挙げられています。私の場合は「相談」は問題ありませんでしたが、手数料の仕組みは当時まったく見ていませんでした。
Q. 実店舗がない銀行って、大丈夫なんでしょうか?
A. 15年前の私も同じ不安で二の足を踏みました。でも実際に話を聞いた印象では、店舗がなくても質問にはきちんと答えてもらえました。今なら「店舗があるか」ではなく「質問にちゃんと答えてくれるか」を安心の目安にします。
Q. 結局、ネット銀行と地方銀行、どっちがいいんですか?
A. 正解は人によって違う、が正直な答えです。私が「ネット銀行が良かった」と思う理由は単純で、金利が一番安くて、行かなくてもいいから。15年前の私は、比較をする前に「大きな取引だし、近所のいつも使っている銀行が安心かな」——そんな安易な考えで決めてしまいました。どちらと決めつけず、「総支払額」というひとつのものさしで、自分の数字で比べてみてください。
まとめ|「いつもの」は、比較ではなかった
- 何も分からないまま窓口を回り、最後は「いつもの銀行だから」で決めた
- 「知名度が低くて不安」で、一番条件の良かった選択肢を消した
- 金利0.5%の差は、35年で約211万円になりうると、15年後に知った
- 比べるものさしは「金利+手数料ぜんぶ込みの総支払額」ひとつだった
家は「何を建てるか」であんなに悩んだのに、「どう払うか」は、最後は「いつもの銀行だから」——。住宅ローンは、家そのものと同じくらい真剣に比べるべきでした。
これから借りる方は、どうか「いつもの銀行だから」で決める前に、2つ以上の銀行を、総支払額で比べてみてください。15年前と違って、今は窓口を回らなくても、ネットで複数の銀行を比較できるサービスもあります。私のように「よく分からないから、いつもの所で」と決めてしまう前に、まず比べてみることから。
※関連記事:「なんか違う」を無視するとどうなるかの実話です↓

次回は、これも窓口でさんざん悩んだ「固定金利と変動金利、どっち?」の話。15年前に選んだ私の、答え合わせです。


