
「繰り上げ返済って、いつ、いくらやればいいの?手元のお金が減るのは怖いし…」
当時の私も、そう思っていました。
35年ローンで契約したわが家、完済まであと1年になりました。
この記事では、「100万円貯まったら繰り上げ返済」を繰り返してきた15年の実体験から、この3つの話をします。
- 期間短縮型……期間を縮めて、利息をごっそり減らす
- 返済額軽減型……毎月を軽くして、安心を買う
- NISA……増えた分を、返済に回した話
先に結論です。利息のお得さで選ぶなら期間短縮型。でも、毎月の安心を買う返済額軽減型も、あり。わが家は両方使いました。
何も考えず35年で契約したら、完済が70代だった
一般的には、住宅ローンは35年で組む人が多いです。毎月の返済が一番軽くなるからです。
わが家も、当たり前のように35年で契約しました。
完済するときの年齢は、年数を決めた時点で分かります。わが家の場合、70代でした。
これはやばい。
そこで決めたのが、「100万円貯まったら、繰り上げ返済」でした。
そこからは必死です。貯まったら返す、をひたすら繰り返す。最初から、全力でした。

当時は住宅ローン控除の期間中。税金って、払うだけのイメージがありますよね。でもこの制度は逆で、給料から天引きで先に払っていた税金の一部が、年末のローン残高に応じて返ってくるんです。いわば、国からのキャッシュバック。一般的には、会社員なら年末調整のあと、12月の給料と一緒に返ってきます(1年目だけは確定申告が必要です)。
正直、当時は仕組みがよく分かっていなくて、「なんとなく得してるのかな」くらいの気持ちでした。
だから、控除の期間中も気にせず全力で繰り上げ。でも実は、繰り上げで残高を減らすと、返ってくるお金まで減ってしまうんです——そう理屈で分かったのは、ずっとあとの学び直しのときでした。
ここでの学び
- 「毎月いくら」だけで決めないで。「何歳で完済するか」も必ずセットで見てください
- 住宅ローン控除の期間中は、繰り上げを急がないという考え方もあります(当時の私は知らずに全力で返していました。詳しくは次回の記事で)
ちなみに今は、ネット手続きなら繰り上げ返済の手数料が無料の銀行が多いそうです。少額からコツコツやりやすい時代になっています。
期間短縮型と返済額軽減型、両方使いました
繰り上げ返済には2つの型があります。が
- 期間短縮型:毎月の返済額はそのまま、返済期間を短くする
- 返済額軽減型:期間はそのまま、毎月の返済額を減らす

同じ100万円でも、効き方がまったく違います。図解の試算(2,000万円・35年・金利1.5%で、5年目に100万円繰り上げ)だと、減る利息は期間短縮型が約54万円、返済額軽減型が約24万円。
お得なのは、期間短縮型です。
わが家は、両方を交互に使いました。
期間も縮めたい。でも、毎月の返済も軽くしたい。どっちも捨てがたくて、かなり葛藤しました。
期間短縮型で70代の完済を手前に引っ張っては、次は返済額軽減型で毎月の返済を家賃くらいの金額へ。その繰り返しでした。
数字のお得さだけで言えば、期間短縮型に全部寄せる方が正解です。でも私は、心理的に安心な方も選びたかった。
やってよかったのは、その都度シミュレーションで差を確認したこと。「期間短縮ならこれだけ違う」と数字で見えると、納得して選べます。銀行のサイトで無料でできます。
ここでの学び
- 利息で選ぶなら期間短縮型。ただし「どちらが正解」ではなく、家計の安心で返済額軽減型を選ぶのも、あり
- 選ぶ前に必ずシミュレーション。数字が見えると、不安が納得に変わります
繰り上げが楽しくなった。でも「手元に何も残らない」と気づいた
不思議なもので、繰り上げ返済は何回かやると楽しくなってきます。
残高がごそっと減る。完済が近づく。そうなると、貯めること自体が楽しくなる。
ただ、あるとき、ふと気づいたんです。
このまま繰り上げだけ頑張っても、ローンが終わったとき、手元に何も残らないんじゃないか。
貯めては返し、貯めては返し。通帳はいつもリセット。じゃあ老後のお金は?——正直、これは怖かったです。
NISAで増えた分を、繰り上げ返済に回しました
そんなとき、ネットで「NISAがいいらしい」という情報を目にするようになりました。
NISAは、投資の利益に税金がかからない国の制度です。一般的には利益に約20%かかる税金が、NISA口座の中ならかかりません(出典:国税庁「NISA制度」)。
もちろん、すぐには踏み出せませんでした。「減るかもしれない」という不安があったからです。
でも、こう考えて、夫婦それぞれの口座で少しずつ始めました。売って損を確定させない限り、下がってもまた戻る可能性がある。画面の数字が下がる日があっても、慌てて売らなければいい。
当時はまだ旧制度のつみたてNISAで、枠は年40万円まで。月にならすと33,333円が上限でした。この半端な数字、覚えている人も多いんじゃないでしょうか。「少しずつ」から始めるには、ちょうどいい上限だった気もします。
NISAは1人1口座。夫婦で始めれば、非課税の枠も2人分使えます。
(もちろん投資なので元本保証はありません。戻らないこともあります)
投資が怖くて動けなかった私がNISAを始めるまでの話は、NISAは50代主婦でも遅い?にくわしく書いています。
わが家の場合、この5年は相場に恵まれて、いい結果につながりました。そこで増えた分の一部を売って、繰り上げ返済に回したんです。NISA口座の中の利益なので、税金はかかりませんでした。
いつもこうなるとは限りません。たまたま相場が良かった面も大きいです。それでも、「返すだけ」から「増やしながら返す」に変えたことで、手元にお金を残しながら完済に近づけました。

注意(ここは人それぞれ)
- 住宅ローン控除の期間中の人や、金利がとても低い人は、繰り上げ返済で損になる場合があります
- 多くの住宅ローンには団信(団体信用生命保険)が付いています。契約者に万一のことがあればローンがゼロになる保険なので、子どもが小さいうちは、ローンを残しておくこと自体がお守りになる面もあります
- わが家は借りている金利が高め(安心優先で選んだ固定金利)だったから、繰り上げの効果が出やすい条件でした。条件が違えば答えも違います
よくある質問
Q. 期間短縮型と返済額軽減型、どっちがいいの?
A. わが家は「期間も縮めたい、毎月も軽くしたい」で交互に使いました。今なら「利息で選ぶなら期間短縮型。毎月の安心がほしい時期なら返済額軽減型」と整理して考えます。
Q. 手元のお金を繰り上げに回すのが怖いです
A. その感覚は正しいと思います。私も全部は回しませんでした。一般的には、生活費の数ヶ月〜1年分は手元に残すのが安心と言われています。わが家は「100万円貯まったら100万円だけ」が、怖くならないペースでした。
Q. NISAと繰り上げ返済、どっちを優先すべき?
A. 私には「どちらが正解」とは言えません。一般的には、住宅ローン控除の期間中や借りている金利が低い人はNISA優先が合理的と言われ、借りている金利が高めなら繰り上げの効果が大きくなります。わが家は借りている金利が高めだったので、繰り上げ中心でした。
まとめ|ローンは減らす。手元にも残す
- 35年で契約したわが家、「100万円貯まったら繰り上げ」を繰り返して完済まであと1年
- 利息のお得さは期間短縮型(試算では54万円 vs 24万円)。でも毎月の安心で返済額軽減型も、あり
- 選ぶ前に必ずシミュレーション
- 繰り上げだけだと手元に残らない。わが家は後半、NISAで増えた分を売って返済に回した(NISA口座の利益は非課税)
- ただし控除期間中・低金利の人は繰り上げが損になることも。ここは人それぞれ
ローンは減らす。手元にも残す。
15年かけてたどり着いた、わが家の答えです。
これから繰り上げ返済を考える人は、まず今のローンの金利と残高を確認して、シミュレーションから始めてみてください。
次回は、今回の注意ボックスの深掘り。「住宅ローン控除と繰り上げ返済、どっちが得?」を、FP3級で学び直した目線で書く予定です。
※関連記事:住宅ローン変動から固定に切り替えた体験談(https://15-ie-kotae.com/hendo-kotei/)
※関連記事:住宅ローンはネット銀行と地方銀行どっち?(https://15-ie-kotae.com/netbank-chihougin/)


