住宅ローンは手取りの何割?額面2.5割は、手取りだと3割だった

住宅ローンは手取りの何割まで?と考えながら給料明細らしき紙を見る女性のイラスト。バッジは「3割はきつい?」 お金の学び直し

※データは2026年8月時点のものです。統計は住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」(2025年度)を参照しています。

月々の返済って、手取りの何割までなら大丈夫なの…?

15年前の私も、同じことを考えていました。

お金の話は、周りに聞きにくいですよね。よその家が毎月いくら払っているかなんて、仲のいい友達にも聞けない。それで検索すると、出てくるのは銀行の「目安」ばかりで——知りたいのは、ふつうの家の本当のところなのに。

この記事では、その「本当のところ」を2つお話しします。統計で見る「みんなの実際」と、わが家の15年——月収の2割弱から3割弱まで動いた割合と、その時期ごとの生活の実感です。

先に結論を言うと、15年前に注文住宅を建てたわが家は、平均すると額面の2.5割。手取りに直すと3割くらいでした。一番きつかったのは、割合が3割近くまで上がっていた時期です。

いまは何割が正解か分からなくて不安な気持ちだと思います。でもこの記事を読み終わるころには目安を探す側から、自分の数字で決められる側に変わっているはずです。

その「何割」、額面と手取りのどっちですか?

最初に、ここだけ整理させてください。話が全部変わってしまうからです。

返済負担率とは、年収や月収に対してローンの返済額が何%かを表す数字です。

そして大事なのはここ。世間の目安や統計のほとんどは、税金が引かれる前の「額面」で計算されています。

たとえば【フラット35】の審査基準は「年収の最大35%まで」ですが、これも額面です(出典:【フラット35】ご利用条件)。

でも、毎月やりくりしているのは、税金や社会保険料が引かれたあとの手取りですよね。

手取りは、ざっくり額面の8割ほどと言われています。つまり——額面の2.5割は、手取りで見ると3割を超えてきます。

たとえば額面の月収30万円で、返済が7.5万円なら「25%」。でも手取りが24万円なら、同じ7.5万円が31%になります。

数字の上では同じ家計なのに、呼び方ひとつで「25%」にも「31%」にもなる。「手取りの何割?」を調べるときは、その目安がどっちの話なのかを先に確かめてください。

ここでの学び

  • 目安や統計の「何割」は、ほとんどが額面の話
  • 生活の実感に近いのは手取り。額面の割合より1段重くなる

みんなは月収の何割?半数が「20〜30%」のゾーンにいました

【フラット35】を使った約3.6万件の最新データ(2025年度)を見てみます。毎月の返済額が世帯月収(額面)の何%かの分布です(出典:フラット35利用者調査・2025年度)。

  • 15%未満:16.7%
  • 15〜20%:18.7%
  • 20〜25%:22.2%
  • 25〜30%:24.6%
  • 30%以上:17.7%

平均は22.8%。そして「20〜30%」のゾーンに、ほぼ半数(46.8%)がいます。

毎月の返済が月収の何%かの分布の帯グラフ:フラット35を使った約3.6万件(2025年度)では20〜25%が22.2%、25〜30%が24.6%で、この2つを囲んだ20〜30%のゾーンにほぼ半数の46.8%がいる。30%以上は17.7%。平均は22.8%

よく「手取りの20〜25%が安心」と言われますが、手取りを額面の8割とすると、額面の20〜30%は手取りのだいたい25〜37%。つまり——世間の半数は、目安より重いところで返していることになります。

もうひとつ、気になる数字がありました。

「30%以上」で借りる人が、この10年で7.7%から17.7%へ、2倍以上に増えています。家の値段が上がって、みんなが上限の近くまで借りるようになっているんです。

しかも、土地から買って注文住宅を建てる人にかぎると、3人に1人が30%以上です。

「住宅ローン きつい」と検索する人が多い理由が、この数字だけで説明できてしまう気がします。

我が家の15年——2割弱から3割弱、そして2.5割

わが家の割合は、一定ではありませんでした。金利のタイプを変えるたびに、動いたんです。

※以下の割合は当時の記憶をもとにした、額面に対するざっくりの数字です。ボーナス払いはなしでした。

  • 最初の変動金利の時代:2割を切るくらい
  • 不安で完全な固定に切り替えた時代:3割近く
  • その後の10年固定:2.5割くらい

15年通してみると、2.5割。世間の平均(22.8%)よりちょっと上、ボリュームゾーンのど真ん中です。

変動から固定に変えたとき、安心と引き換えに金利は上がり、毎月の返済額も上がりました(この経緯は変動から固定に切り替えた話に書いています)。

割合が3割近くまで上がったのは、このときです。

わが家の15年の割合の変遷の図解:変動金利のころは2割弱、完全な固定に切り替えて3割近くになりこの時期がきつかった、その後10年固定で2.5割。世間のボリュームゾーン20〜30%の帯の中を動いて、完済まであと1年

そして正直に言うと——この時期は、きつかった。

3割近かった時期、何がきつかったのか

きつさの正体は、返済額だけではありませんでした。

当時のわが家は、子どもが小さかった。よく「子どもが小さいうちは貯めどきだよ」と言いますよね。

うちには、そんな時期は来ませんでした。

今考えても何をしてたか覚えていないくらい、朝起きたら掃除、洗濯、ご飯、寝る、の繰り返し。家計簿をつける余裕なんて、どこにもなかったんです。

そして白状すると、当時の家計管理はザルでした。

欲しいものは買っていたし、我慢もしていませんでした。周りの人から「積み立てをしておくといいよ」と聞かされてはいたけれど、右から左。聞いていなかったんです。

ただ、思い返すと、ひとつだけやっていたことがあります。

ローンや光熱費のような毎月決まって出ていくお金と、食費のような月ごとに変わるお金。この2つを「だいたいこれくらいかな」と、ざっくりつかんでいたことです。家計簿はなし、頭の中だけ。

それで、お金が貯まってきたら、別のところに分けておく。

ザルはザルでも、ざっくりの把握だけはあった。いま思えば、これが命綱だったのかもしれません。あとから学び直しで「固定費」「変動費」という言葉に出会って、知らずにやっていたのはその入り口だったんだ、と分かりました。このゆるい家計のやり方は、また別の記事でくわしく書きます。

返済が月収の3割近く。家計はザル。毎日は必死。——きつかったのは、この3つが同時だったからだと思います。

ここでの学び

  • 「子どもが小さいうちは貯めどき」が通用しない家もある。うちがそうでした
  • きつさは返済額だけで決まらない。手元に残るお金と、時期の掛け算で決まる
  • 家計簿が無理でも、決まって出ていくお金と変わるお金のざっくり把握だけで命綱になる

ゴールが見えたのは、NISAでした

そんなわが家が、なぜ完済まであと1年のところまで来られたのか。

100万円貯まったら繰り上げ返済、を繰り返したこと(繰り上げ返済の話)。そしてこわごわ始めたNISAが増えて、「あと少しで返しきれる」というゴールが見えたことが大きかったです。

ゴールが見えると、同じ2.5割でも気持ちがまるで違いました。

(※NISAには元本保証がありません。増えたのはわが家の結果の話で、特定の投資をすすめるものではありません)

FP的にはこうです——きつさは「割合×時期」で決まる

FP3級の学び直しで、腹落ちしたことがあります。

家計は1年の輪切りではなく、35年の表で見るという考え方です。ライフプラン表とかキャッシュフロー表とか呼ばれる、収入と支出を1年ずつ積み上げていく表のことです。

この表で見ると、はっきり分かります。ローンの返済額はずっとほぼ同じなのに、手元に残るお金のほうが、年によってまるで違うんです。

子育てで手いっぱいの時期。教育費が中学、高校、大学と上がっていくころ。同じ「2.5割」でも、きつさは、時期しだい

たとえば共働きで、3歳と1歳の子ども2人と家を建てたとします。高校まで公立中心で進んでも、大学が重なる2年間は、教育費だけで年260万円超の山になります(文科省の子供の学習費調査などから計算しました。前提は図の中に書いています)。

この山が築何年目に来るかは、家を建てた日から数えられます。

35年の地図の例の図解:共働きで3歳と1歳の子ども2人と家を建てた場合、教育費は年々増えて、大学が重なる築18年目ごろに年約265万円の山になる。ローン返済(例:年149万円)は教育費が終わったあとも35年目まで続く

この地図、ぜひ自分の家の場合でやってみてください。

間違っていてもいいんです。子どもの歳から、山が来る年をざっと数える。だいたいをつかむだけで、見える景色が変わるから。私はそれを、建てて15年経ってから知りました。

わが家がきつかったのは「3割近く×子どもが小さい時期」が重なったとき。あの重なりは偶然ではなくて、35年の地図に、最初から描いてあったものでした。

だから、いま思うことはこうです。「何割までなら大丈夫?」の答えは、割合だけを見ても出ません。その割合が、家計のどの時期とぶつかるのかまで見て、はじめて答えになります。

日本FP協会のサイトに、キャッシュフロー表の無料の雛形があります。私が学び直しで出会った道具の中で、一番「早く知りたかった」と思ったものです。

今なら最初にやる、家計の3つ

タイムマシーンで当時の私に会えるなら、割合の話より先に、この3つを言います。全部、周りの人に聞かされていたのに右から左だったことです。

1つ目。収入の9割で生活する。

残りの1割は、先に取り分けてしまう。あとで余ったら貯める、は、うちでは一度も成功しませんでした。

2つ目。1ヶ月ずつ、積み上げる。

1ヶ月やってみて、できたら2ヶ月、1年、2年。最初から完璧な家計簿はいりません。ザルだった私が言うので、間違いないです。

3つ目。急な出費は、別に積み立てておく。

家電が壊れる、車検が来る、家の修繕——急な出費は、そのたびに家計が崩れます。でも積み立てがあれば、予定どおりの出費に変わります。

この3つがあれば、返済が3割近かったあの時期も、気持ちはずっと楽だったはずです。

破産しないこと。毎日がしんどくならないこと。生活が苦しくなるまで切り詰めないこと。——割合の数字より、こっちが先だと今は思っています。

お金メモ

  • 先に取り分ける「収入の9割で生活」は、FPの学び直しでも王道の考え方でした
  • 総予算の決め方から知りたい方はこちらの記事へ。貸してくれる額と払える額は別物、の話です

よくある質問

Q. 手取りの3割はきついですか?
A. わが家は額面で3割近い時期がきつかったです。ただ振り返ると、きつさの半分は家計管理がザルだったからでした。今なら割合を下げる工夫と同じくらい、先取りの積み立てでゆとりを作ることを考えます。

Q. みんな、月々いくら払っていますか?
A. 【フラット35】利用者の平均は月12.4万円です(2025年度・出典:フラット35利用者調査)。ただし平均世帯年収716万円の人たちの平均額なので、金額そのものより「月収の何%か」で見るほうが、自分の家計に当てはめやすいです。

Q. 借りるときは、何割で組めばいいですか?
A. 私は答えを一つに決められません。同じ割合でも、時期と手元に残るお金で重さが変わるからです。当時の私に言うなら——銀行が貸してくれる上限では組まないで。上限いっぱいの怖さは総予算の記事に書いています。

まとめ:割合の正解より、先にやることがあった

  • 目安や統計の「何割」はほとんど額面。手取りで見ると1段重くなる
  • 世間の半数は額面20〜30%のゾーン。「30%以上」はこの10年で2倍に増えた
  • わが家は2割弱→3割弱→2.5割と動いた。きつかったのは3割近く×子育て期の重なり
  • きつさは「割合×時期」で決まる。35年の地図で見ると、重なる時期は最初から見えている
  • 今なら先にやるのは家計の3つ:9割で生活・1ヶ月ずつ積み上げ・急な出費の積み立て

「手取りの何割までなら大丈夫?」——その答えは、検索しても出てきません。

自分の家の家計を、いちばん知っているのは自分だから。

だいたいでいい。つかんだ人から、景色が変わります。

※関連記事:住宅ローンの借りすぎで後悔しない総予算の決め方繰り上げ返済の体験談NISAをこわごわ始めた話

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